日本内燃力発電設備協会「自家発電設備の出力算定ソフトウェア NH1」がVer.4にバージョンアップしIE3モータ対応となりました。
弊社 “消火ポンプ用Vスター”も引き続きご利用できますので、弊社推奨係数の登録方法及び計算方法をご案内致します。

1.  準備

  1. 「NH1」ソフト立ち上げ
  2. 計算方式「最大最終」「順次始動」どちらでも選択可※登録は「最大最終」「順次投入」どちらでも可能です。登録が済めば係数はどちらでも使用可能です。手順案内は「最大最終」で行っております。
  3. 「様式-2」を開く(画面1参照)※「諸元値表」のページについては、登録時変更の必要はありません。
画面1:「様式-2」画面

2.  画面選択

  1. 「様式-2」画面ツールバー項目より「ツール」
  2. 「負荷機器の計算用諸元値」を選択
画面2:「ツール」→「負荷機器の計算用諸元値」項目

画面3:「負荷機器の計算用諸元値」

3.  入力画面選択

  1. 「負荷機器の計算用諸元値」画面より「追加」をクリック
  2. 「諸元値入力」を開く
画面4:「負荷機器の計算用諸元値」→「追加」

画面5:「負荷機器の計算用諸元値入力」

4.  項目入力

トップランナーモータ用とトップランナーモータ以外用それぞれで入力します。

I.トップランナーモータ用入力内容

※モータ出力範囲別で作業を繰り返します。
「負荷機器の計算用諸元値入力」より下記入力項目(A~G)を入力

(A) 負荷記号 :[SCNT

(B) 負荷名称 :[低圧電動機(IE3)

(C) 定常時定数 :[ηi,cosθiの項:「表1-2-1」にチェック

(D) 始動方式記号:[SC

(E) 始動方式名称:[特殊コンドルファ始動

(F) 出力範囲 :出力範囲により係数が変わりますので4種類の組合せになります。
① [0.0]≦ 負荷機器容量 <[5.5
② [5.5]≦ 負荷機器容量 <[11.0
③ [11.0]≦ 負荷機器容量 <[30.0
④ [30.0]≦ 負荷機器容量 <[9999.0
※上記により①~④まで各々登録が必要です。(計4回登録

(G) 係数入力 :下記表参照して下さい。
但し「始動中」の項「RE3:cosθs」の係数は上記の出力範囲で
変わりますので注意して下さい。

RG2 RG2 RG3 RG3 RE2 RE2 RE2 RE3 RE3 RE3
ks Z’m ks Z’m ks Z’m cosθs ks Z’m cosθs
始動瞬時 0.25 0.12 0.25 0.12 0.25 0.12 0.4 0.25 0.12 0.4
始動中 0.00 0.12 0.25 0.12 0.00 0.12 0.4 0.25 0.12 ※下記

※「始動中」の項「RE3:cosθs」の係数は下記の様になります。

出力範囲 係数
[0.0]≦負荷<[5.5] 0.6
[5.5]≦負荷<[11.0] 0.5
[11.0]≦負荷<[30.0] 0.4
[30.0]≦負荷<[9999.0] 0.4

※前述の通り出力範囲毎に登録が必要です。(計4回
※上記以外の項目(出力換算係数、負荷入力単位、稼働率の項、高調波発生率など)は変更しないで下さい。

(H) 各出力範囲(①~④)の項目入力終了毎に「表に反映」をクリックして下さい。

画面6:「負荷機器の計算用諸元値入力」→「表に反映」

画面7:「負荷機器の計算用諸元値入力」参考入力例(○の箇所が入力項目になります。)

II.トップランナーモータ以外用入力内容

※モータ出力範囲別で作業を繰り返します。
「負荷機器の計算用諸元値入力」より下記入力項目(A~G)を入力

(A) 負荷記号 :[SCNT

(B) 負荷名称 :[低圧電動機(IE3)

(C) 定常時定数 :[ηi,cosθiの項:「表1-2-1」にチェック

(D) 始動方式記号:[SC

(E) 始動方式名称:[特殊コンドルファ始動

(F) 出力範囲 :出力範囲により係数が変わりますので4種類の組合せになります。
① [0.0]≦ 負荷機器容量 <[5.5
② [5.5]≦ 負荷機器容量 <[11.0
③ [11.0]≦ 負荷機器容量 <[30.0
④ [30.0]≦ 負荷機器容量 <[9999.0
※上記により①~④まで各々登録が必要です。(計4回登録

(G) 係数入力 :下記表参照して下さい。
但し「始動中」の項「RE3:cosθs」の係数は上記の出力範囲で
変わりますので注意して下さい。

RG2 RG2 RG3 RG3 RE2 RE2 RE2 RE3 RE3 RE3
ks Z’m ks Z’m ks Z’m cosθs ks Z’m cosθs
始動瞬時 0.25 0.14 0.25 0.14 0.25 0.14 0.5 0.25 0.14 0.5
始動中 0.00 0.14 0.25 0.14 0.00 0.14 0.5 0.25 0.14 ※下記

※「始動中」の項「RE3:cosθs」の係数は下記の様になります。

  出力範囲 係数
[0.0]≦負荷<[5.5] 0.7
[5.5]≦負荷<[11.0] 0.6
[11.0]≦負荷<[30.0] 0.5
[30.0]≦負荷<[9999.0] 0.5

※前述の通り出力範囲毎に登録が必要です。(計4回)
※上記以外の項目(出力換算係数、負荷入力単位、稼働率の項、高調波発生率など)は変更しないで下さい。

(H) 各出力範囲(①~④)の項目入力終了毎に「表に反映」をクリックして下さい。

画面6:「負荷機器の計算用諸元値入力」→「表に反映」

画面7:「負荷機器の計算用諸元値入力」参考入力例(○の箇所が入力項目になります。)

5.  登録

「負荷機器の計算用諸元値」に反映されているのを確認し、下方「ファイル登録」をクリックし登録を完了します。
なお、「Ⅰ.低圧電動機(IE3)」もしくは「Ⅱ.低圧電動機(IE3以外)」だけでの登録や一度、登録してからの追加も可能です。

画面8:「負荷機器の計算用諸元値」反映例
【□内が“消火ポンプ用Vスター(軽負荷限定)”となります。】

6.  確認

登録が終わりましたら、次の手順に従って計算してみて下さい。
結果は、発電機特性及び原動機特性により異なります。
以下、手順による計算結果と参考資料の一覧は、「NH1」ソフトの標準特性よるものです。

「最大最終投入方式」を使用しての計算手順を紹介します。

①「最大最終投入方式」を選択して「様式-2」画面を出します。

画面9:「様式-2」画面

②「様式-2」の各項目を次の様に入力して下さい。

A) 負荷名称 :消火ポンプ

B) 消防設備 :左側[F](※防災設備の区別のため必要です。)
右側[L](※消火ポンプ等軽負荷の区別のため必要です。)

C) 記   号:IE3の場合「SCNT」
※登録出来ていれば選択出来ます。

D) 台   数:1

E) 換算入出力:55

F) 始動方式 :SC
※入力して下さい。

画面10:「様式-2」入力完了画面

③「様式-2」入力が終わりましたら、画面右下の「計算」ボタンをクリックしますと計算されます。

「様式-1」にて計算結果が下記の様になっているか確認してみて下さい。
発電機容量:「86.0kVA」 原動機容量:「80.5kW」

画面11:「様式-1」

※発電機特性及び原動機特性が変更されていますと結果が変わることがあります。
上記の計算は、「NH1」ソフトにおける標準値を使用した計算結果です。
※「消火ポンプ用Vスター」は、消火ポンプ等軽負荷専用になります。
軽負荷とは、慣性モーメント(GD2)が小さい特性の負荷です。直入始動の場合約1秒前後にて始動完了する特性を持つポンプ類が対象です。排煙ファン·ブロワ等の始動時間の長い負荷や軽負荷のポンプ類以外は、従来の“特殊コンドルファ”
(記号の項:MLT・MLO、始動方式:SC)で計算して下さい。